君は僕のもの 【続】





結局その締められたドアを俺がまた開けなきゃなんないの?

…だったら締めないでくれれば良かったのに。


とか思いつつもそのドアに手を伸ばして、少し不貞腐れた様にドアを開ける。…けどその俺の表情は一瞬で、


「……は…っ?」

愛梨の部屋に足を踏み込んで、いつも通りに中を見渡した瞬間。

俺の思考は停止したようにその目は大きく見開かれて、思わず息をするのも忘れそうなくらいだった。


なに、…コレ?

言葉にならないままその視線を愛梨に向けると、


「結構前からね…?準備、してたの」

だけど視線が合うと外すように違う方を向く。


「前に、バレンタインの話、……したぐらいから、さ?」

どんどん小さくなってくその声を、俺はいつになく真剣に聞いてる気が…する。


愛梨が好きそうな飾り付けをしてある部屋に、テーブルには少し不格好なケーキ?か分かんないけど、それらしき物体。

なのにその愛梨は悲しそうな顔をしてる。


「…何でそんな泣きそうなの?」

離れたとこにいる愛梨に近付きその頬に手を伸ばす。

そう、俺にはどうしてそんな顔を愛梨がするのかが全く…というか全然分んない。


「……っ…だけど、……嫌だったよね…?」

眉をギュッと寄せて下を向く愛梨の頬には涙が伝ってて。


それよりも俺は愛梨の言う『嫌』って言葉の意味が分からなくて「嫌って?」と聞き返した。


やっぱり泣き虫な愛梨はヒックヒックと不規則な呼吸をしながらも、

「だって樹…嫌がってたじゃん……」

と、少し不機嫌そうにも言う。


「俺が?」

珍しく驚いたように聞き返す俺に、コクンを頷く。


「困るって…、迷惑だって……」