鼻の奥がツーンとする感じ。
これはいつもあたしが泣きだす時の前触れ症状。…だからこのままだと泣く、泣いちゃう。
どうしてこんなにすぐ泣くのかとか、思えば思うほどそんな弱々しい自分に嫌気がさしてどうしようもない気持ちに追い遣られるんだ。
「……っ」
教室のドアに手をやった瞬間。
「いらない」
瞬間、あたしの心臓は止まったように動きを止めて。
周りの少しザワついた空気も凍ったようにシーンと静まり返ったような気がした。
思わずあたしはその伸ばした手を引っ込めて、思い切り後ろを振り向く。…そうすれば女の子達の虚ろな瞳がたくさん。
…いらない。って……?
止まった感覚を帯びていたあたしの心臓はさっきとの静止感とは裏腹に。
急な激しい動きを表してみせた。
「…どうして?あたし一生懸命作ったのに……っ」
さっきまでの笑顔は消えて。
女の子の瞳には微かな涙までもが浮かんでいるような気がした。
「そうだよ!!」
「どうして受け取ってくれないのっ!?」
「……どうせアレでしょ」
数々の嘆きの声の中で聞こえた『どうせアレでしょ』という、投げやりにも取れる声だった。
「…だね、」
「ていうかズルイよ!!」
ズルイ。酷い。最悪。どうして?……そんな言葉の数々が飛んで来たかと思えば、それは樹では無く、あたし。
ズルイ…。
言葉が胸に突き刺さる。
それに耐えきれなくて口を詰むんだまま俯くと、隣に美菜が寄り添うように肩を抱いてくれた。
「アンタ達いい加減に……っ!!!」
キッと睨みつけて美菜がそう言った瞬間。

