君は僕のもの 【続】

…愛梨Side




急に目の前の女の子達は泣きだして、そんな彼女を周りの女の子達がヨシヨシと頭を撫でる。

こんなに、まさか朝から集まるとは思って無かった……


油断したのかも、


「…はぁ…っ」

溜め息を吐いて、みればチラッと樹の助けを求める様な視線と重なる。


けど何かムカッてしちゃうから…無意識に逸らしちゃう。


それよりさっ!!

女の子の手にあるホールケーキ丸ごと一個分の箱が一つ。…もしかして、もしかしちゃうのかな、なんてさ。


思ったりしちゃうんだよ…。



今日は2月10日。
そう、今日は樹の16歳の誕生日、凄くすっごく大切で重要な日。

だからあたし…バレンタインっていうのとは別に、色々。用意とかしてて、なのに、なのに……寄りによってこんなことになるとは。


「だから何、それ」

さっきみたいな無機質な言葉と声音じゃなくって、少しだけ苛立った様子の樹が彼女に言い放つ。


視線の先にはその箱。


嬉しそうに泣き笑いをしながらその子は、ヒックヒックと呼吸を整えるように可愛らしいその大きな瞳をあたしに向けて…

それから控え目に樹へと動かした。


「ケーキ焼いたの。…誕生日とバレンタイン含めて、気持ち!
気持ちたっくさん込めといたから……!!!」


何が、気持ち。だよ!

あたしそういえばこの子見たことある気がする、…確か“例の”樹ファンクラブ会員の中の一人なんだろう、と思う。


前にすっごいキツい睨みをきかされた。


覚えがある。



…の、かな?