君は僕のもの 【続】





「う、うん…2年生の…」

「どこまで聞いた?」


まるで知られたくないことを隠してるみたいな。


どこまで…
どこまでなんだろう?

言葉に詰まる。



「…あ、あ…あず……」

言いたい言葉はあるけれど、どうしても度胸とか…そういうのが無いから言葉にもならない訳だ。


すると、



「“梓紗”」



冷たく虚無感を全身に含んだその言葉が、あたしの耳に入る。

強く注がれていた彼の瞳も今は自信なんてみじんの欠片も無いように、伏し目がちに地面を覗いていた。


白井くんの口から出た…梓紗さんの名前。


その悲しく見つめる姿を見て、


「ま…っ!まだ!!」

声を張り上げて言う。


ビクビクしてたせいで声は微かに揺れるけど。


「まだ…間に合うんじゃない、かな……?」


何を言ってるんだって感じだけど、

言葉はもう口から出てって、取り返しも付かないけど。


「…本当は、…本当はまだ好きなんじゃないの!?」

言ってしまった。