そうすれば鋭い彼の視線があたしの身体を貫いた。
…うっ?!
この若干切れ長の目が、どうもあたしは苦手かもしれない。
「聞いた?」
言葉の一つ一つを噛締める様にジックリとゆっくり言葉を区切りながらそう言った。
この人は“怒ってる”
というのが全面的に滲み出て来てる感じで、…表情に何も出さない樹とは、ここが違うところなのかもしれない。
「…は、はい…まぁ……それなりに…?」
分からない。
今あたしが何を言ってるのか分かんないのが不思議な感じで。
「言え、今すぐに言え」
そうすれば簡潔に彼は言ってのけた。
けど言うに言えない。
きっと言ったら言ったであたしの首はここで吹っ飛ぶ!
…それか、
絶対の確実で泣かされる!
「その…何か……」
そこまで言うと、シーンと沈黙が流れる。
「………」
「………」
お互い黙ったまま時間だけが過ぎ去って、不意に次の授業の開始を合図するチャイムが鳴った。
「あ…、チャイム……「言え」」
ニコニコっと笑いながらその手を払い除けようとしたその時。
思い切り腕を掴まれて上にあげられる。
「……っ!…あのっ…」

