君は僕のもの 【続】





ズイズイと人を掻きわけて、気が付けば階段を上って太陽に近い場所に来ていた。


…最近すごくここに来る気がする、

そんなことを思っていると急にパッと腕を離された。


「ホラ、言えよ」

「…い、い……言えって、何を?」

最後の方の声が裏返ったのに気が付きながらも気が付いてないような、平然を装ってはみるけれど。

いまいちどうしようもない。


「お前分かりすいんだよ、だから言え…今すぐに言え」

と強い眼差しで尋問される。


言え…言え、言え。

まるで“言え地獄”って感じだよ。


泣きそうになりながらも逃げようと身体を徐々に動かしていく。


「…逃げたら犯すぞテメェ」

声と共に現れたのは両端に、男の人の逞しい腕。


もう逃げられない。


どうしようと思いながらも…時間は少しずつ経っていく。

「分りました……逃げません、」

とりあえず歯向ってはいけない…かな?とか思って、何故か敬語を並べてそう言う。


「で」

「……で?」

引き攣る顔を抑えながらも、苦笑いの中での満面の笑みを浮かべてそう聞き返すと、


凄い勢いで彼は顔を顰める。


「お前…いい加減にしろよ?」

口調はだんだんと荒くなって、…もう完全にあたしを女の子として見ていないようなきもする。


そしてあたしは思い切って言ってしまったわけで、


「……聞いちゃった…?うん、聞いちゃった…の、かな?」

『ハハハ』と笑いながらそう言う。