君は僕のもの 【続】





妙な空気が流れて…とても気まずい訳で。


不意に時計を見れば後少しでこの授業が終わる。

後…多分1分、もしくは30秒。


終われ終われ。…早く終わってくれ!と言わんばかりに移るあたしの視線の先の時計に気が付くと、苛立ったように、

「何を隠してんだよ…っ!」

荒立つその声に周囲の人たちだけが気付き、後を振り返ったり。小声で何かを話したり……


だけど前の方とか遠い方の人には聞こえてなかったみたいで少しだけ安心した。


「ちょっ!!…少し静かにしてよ」

ブレザーの袖をギュッと掴んであたしが言った瞬間。



あ…、

授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り響く。


『今日の授業はここまで』という先生の声に周囲がざわつき出して、それぞれ動き出す。

それでもってあたしは、…無意識のうちに樹の方に視線を送ってしまう。


すると樹と目が合う。


…けど、
その目はすぐに違う方を向いて逸らされてしまった。


今、目…合ったよね……?


どんどん眉は八の字になって、今にも泣きだしそうになる、けどそんなあたしにお構いなしのこの人は未だにさっきの話の真相が気になってるみたいだった。


あたし、それどころじゃいないよ。

自分から色々な種を蒔いておきながらも、結局は要領が悪いせいか…このウジウジな性格のせいか、

何をどうしたらいいのかが分からなくなっていた。


「おい、お前ちょっと来い」

今度はシュンとして自分の足の爪先をボーっと眺めていると、そんな声。


「…っ、え?ちょっと……!!」

腕を掴まれたと思えばそこから強制連行。


その瞬間、樹があたしのことを見たような、…そんな気がした。