君は僕のもの 【続】





呟きのようなその白井くんの声と、言葉に何故か気持ちが下がって、チラッとだけと隣に視線を送った。


「…あ?」

あまりにジッと見つめてたせいかその視線に気が付いて、白井くんが不思議そうあたしを見た。


「忘れられない恋……とか、…ないの?」

カマを掛けるように聞く。


すると白井くんはニヤッと笑って、

「気になる?」

と面白そうに言った。


「うん…まぁ……」

あたしがそう言うと、今度は嬉しそうに白井くんは『ふぅん』と微笑む。


「つか、マジさっきからどうしたんよ?」


それよりも、いつも以上に話す上に、しつこくこんなことばかりを聞いてくるあたしを不審に思ったのか、

彼はそう言うとジッとあたしの顔を覗きこむ。


「…いや、別に……」


嘘を付く時。

目がどうしても揺らぐ。


「お前、何か隠してんだろ?」

瞬間。ギクリと焦ったように、目がグッと見開かれた。


…急に体中。

色んな場所に汗を掻いたように焦りが回る。


「別に…?」

「言え」

これは完璧に見抜かれてしまった。


そう思いつつ下げ気味だった視線を上に上げると、少し苛立ったような白井くんの顔がある。