君は僕のもの 【続】





昨日は何とも言えないモヤモヤで憂鬱な気持ちなまま眠りについて、まぁいつも通りに少しだけ寝坊しつつも何とか間に合う時間に目を覚ました。

何だか最近、というか…最近。


一人でも起きられるようになって今はだいぶ一般的な起床を出来るようになったんだよね!


…ちょっと言ってることが自分でもよく分かんなくなっちゃったから、
とりあえずこの話はここまで。



用意が終わって学校に行く準備も完璧に終了したのに。

肝心の樹が来ない…。


昨日の今日って言葉を最近よく思うけど。今のあたしの気持ちはまさにその“昨日の今日”って感じ。



「お母さんっ!樹…まだ来てないの?」

キッチンの方にいるお母さんにそう声を掛けると、お母さんはいつものお茶らけぶりで『あら、そう言えば来てないわね~』なんて言ってる。


『ふぅん』なんて曖昧な返事を適当に返すと、そのまま急ぎ足で家を出た。



妙に嫌な気持ちになって…

もしかしたら、先に行っちゃったの?


とうとう…樹の気持ちはあたしから離れちゃったの?



そんな不安の渦があたしのなかでたくさん。
もうどうしたらいいのか全然分からなくなっちゃって、一度は視線を送った樹の二階にある部屋。

けど…


「…居ないよね」

空しい独り言を呟いて。


そのままその樹の家に背を向けて歩き出してしまった。



いつもは遅いあたしの足取りもこんな日は一段と速さを増して、ズカズカと音の無い音を立てて歩き進む。




─すると突然…


「あっれ?こんなに可愛い子が一人で居ちゃっていいのかなぁ??」

背後からそんな低く声優混じりな色っぽい声が聞こえてきて、すぐにその声の主が誰だかあたしには分かった。