君は僕のもの 【続】





また小さな溜め息が出てしまう。


あの…樹に一緒に帰れないと言われた日からもう5日。

結局その次の日も、そのまた次の日も『今日、一緒に帰れない』と全く悪びれた様子もなく言うから。



何があるの?って聞いてみても、

『大した用じゃない』の一点張り。


というかそれしか言わないんだもん!樹。



大体もともと不思議的謎キャラだし、何より自分中心な男だから、さ。


気になって樹の家に行ってみても…

なんかいつも居ないし。


智子さんに聞いても何か曖昧に流されてしまう感じがして…



…何なの!?

ていうかこれってどうなのよ!



と心の中では強気で思ってみたりするから、やっぱりあたしは弱小な弱々な奴だな。


今日の美菜から最後に聞いた言葉のせいで、
どうも落ち着きがなくなったあたし。


だって…もしかしたら、なんて悪いことばかり考えちゃうんだもん、仕方ないじゃん!




こんなこと今まで一度だってなかったから。

何か…泣きそうだよ。


シュンとした表情のまま玄関の扉を開けそのままトボトボと階段を上がって自室に逃げ込む。

何かあたししたりしたのかなぁ…?


でも、もしあたしが何かをしたんだとしたら…あの樹は普通にあたしと話そうなんてしないだろうし、うーん。結局のところ何なんだろう。



やっぱりやっぱり美菜の言う“浮気説”は、もしかしたらもしかすると本当のことだったりしちゃったりするんじゃないか…??


いや、待て愛梨。

そんなこと無いよ、ある筈ないよ。


と一日中そんな自分と格闘していたあたし。