「客人を立ち話でもてなすつもりかしら?」 エスメラルダの厳しい口調にも紹介屋の態度は変わらない。 「あぁ、これは失礼いたしましたぁ~。どうぞ、入ってくださ~い。ミサちゃんもお待ちかねですよぉ~」 ミサちゃんという単語に、二人は一瞬きびすを返そうとしたが、ここまできて帰るわけにもいかず、二人顔を見合わせて、意を決したように紹介屋が入ったドアに続くのだった。