背後からかけられた声に、フェニルは驚く。


見ると、以前同様紹介屋が立っていた。



「用があるからこんなところまで足を運んだのよ」


急に不機嫌になったエスメラルダが紹介屋をにらみつける。


あぁ、とつぶやいて紹介屋は話を続ける。

「お久しぶりですね、エスメラルダ嬢。今回は如何様な御用事でしょうかぁ~?」


「今回は用事はないわ。このお嬢さんの付き添いよ」


そっけなく返すエスメラルダの視線の先には、フェニルがいた。



「おお、これはフェニルさん。昨日ぶりですねぇ?お仕事の方は順調ですかぁ?」


相変わらず間延びした口調で話を進める。