瞬間、顔が赤く染まるのがわかる。 けれど、ここで逃げていたら前と変わらない。 私は、綿谷 紗帆として。 あなたに、伝えたいことがあるの。 「すき、です…。 ずっと、前から。尾野くんしか、見えてないの…。」 空気がピーンと張り詰めた音がするくらいの緊張感。 1歩、彼が私の方に距離を詰めて。 私は体を硬くした。