「気が付かれましたかっ! 花菜姫さま」
「花菜? 花菜?」
ゆっくりと瞼をあげた姫が、「……お母さま?」と声をあげた。
「ああよかった、目を覚ましたのね。花菜」
うれしそうに声をあげた北の方はホッとしたのか、そのままへなへなと床に崩れ落ちる。
「北の方さまっ」
「おい、お前、大丈夫かへ?」
慌てて起き上がった姫が、「お母さまったら」と言いながら自分が寝ていた畳の上に母を横たえた。
気絶することは北の方の得意技と言ってもいい。
汁物がほんのちょっと熱いというだけで気を失い、夜更けにフクロウが鳴いたというだけで気絶するという、なんとも気の弱い母だ。
「花菜? 花菜?」
ゆっくりと瞼をあげた姫が、「……お母さま?」と声をあげた。
「ああよかった、目を覚ましたのね。花菜」
うれしそうに声をあげた北の方はホッとしたのか、そのままへなへなと床に崩れ落ちる。
「北の方さまっ」
「おい、お前、大丈夫かへ?」
慌てて起き上がった姫が、「お母さまったら」と言いながら自分が寝ていた畳の上に母を横たえた。
気絶することは北の方の得意技と言ってもいい。
汁物がほんのちょっと熱いというだけで気を失い、夜更けにフクロウが鳴いたというだけで気絶するという、なんとも気の弱い母だ。



