「他にも炭が沢山置いてありますよ。今年のお正月はこれで安心ですね」

「え? あ、ああ、そう? そんなに?」

「はい。私たち全員でも抱えきれないくらいです!」

「そんなに?」

あれこれ悩んでも仕方ない。
どんなに考えたところで何もわからないのだから。
そう思い定めて「どれどれ、見てみましょう」と、下屋に見にいくことにした。

行ってみると、なるほど山のように炭が積んである。

「うわーすごい。これだけあれば今年の冬は心配なく過ごせるわ!」

この家の全員で抱えても抱えきれないだけの量だ。
なんとありがたいことだろう。

「どなたかわかりませんが、傀さま、ありがとうございます!」

炭に向かって、花菜は小鞠と一緒に手を合わせた。