キノコ汁が出来上がったところで、次は平たい鍋を火にかけて油をひき、薄い卵焼きを作った。
卵は庭で飼い始めた鶏の卵だ。
「今度は何を作っているのですか?」
「キノコの混ぜご飯よ」
卵焼きを皿に移すと、今度はキノコを炒め始めた。
あまづらという甘味料に酒。
それに醤(ひしお)を加えて味を調え、炊きたてのご飯に混ぜる。
「ご飯に混ぜるのですね!」
「そうよ。その上に薄く切った卵焼きと、ちぎった海苔を乗せて――。はい完成」
匂いにつられたのは小鞠と嗣爺だけではなかった。
「姫さま、すごい!」という小鞠の歓声に被って、
「お見事」という若い男の声がする。
振り返ると、そこにいたのは、見覚えのある白い狩衣姿の若い公達。
「あ、陰陽師さま」
彼は陰陽師、藤原蒼絃だ。
卵は庭で飼い始めた鶏の卵だ。
「今度は何を作っているのですか?」
「キノコの混ぜご飯よ」
卵焼きを皿に移すと、今度はキノコを炒め始めた。
あまづらという甘味料に酒。
それに醤(ひしお)を加えて味を調え、炊きたてのご飯に混ぜる。
「ご飯に混ぜるのですね!」
「そうよ。その上に薄く切った卵焼きと、ちぎった海苔を乗せて――。はい完成」
匂いにつられたのは小鞠と嗣爺だけではなかった。
「姫さま、すごい!」という小鞠の歓声に被って、
「お見事」という若い男の声がする。
振り返ると、そこにいたのは、見覚えのある白い狩衣姿の若い公達。
「あ、陰陽師さま」
彼は陰陽師、藤原蒼絃だ。



