貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)

「これは……味噌を付けて焼いたのだろうか?」

「ふむ。何やら色々混ざっているような」

花菜の作ったおにぎりは、形だけでなく普通の屯食とは色々と違っていた。

どちらのおにぎりも雑穀米だが、稗や粟だけでなく小豆や炒った胡麻も混ぜてある。

ひとつは外側に味噌をつけて焼いた、焼きおにぎり。
もう一つは雑穀米に砕いた煮干しを混ぜ込んで、漬物にした葉で包んだおにぎりだ。

不思議そうに二つのおにぎりを見つめた彼らは、確かめるように匂い嗅ぎ、それらを半分にして分け合った。

最初に味噌おにぎりを口にしたのは直衣姿の公達。

心配そうに楽瑛が見つめる。

味わるようにゆっくりと口を動かし、ゴクリと飲み込んだ公達は目を見張った。

「美味い」

続けて口にした漬物のおにぎりも、予想以上に美味しかったらしい。

思わず、「これは、一体」としげしげと眺めた。