「ここです」
トキの家はひっそりとした佇まいの屋敷だった。
門をくぐると、中の様子を隠すように沢山の草木が植えてあり、かいくぐるようにして中を進む。
人の気配は少ないが、それでも掃除や手入れが行き届いていた。
廂の間を歩きながら庭に目をやると、意外なほど風情ある表情を見せていた。
歩いて通った時は雑然としているように見えた木々も、実は計算されて植えられているということなのだろう。
といっても花菜にはそんな庭を観察する余裕はない。
もうすぐ彼と対面するのである。
そう思うだけで胸はドキドキと暴れ、足は震える思いだ。
「その几帳の奥にいらっしゃいます」
トキはお茶を持ってまいりますと、行ってしまった。
火桶が見える。
赤々と疼くような炭を見つめ、花菜は大きく息を吐く。
カサリと音をたて、ふいに几帳が揺れた。
トキの家はひっそりとした佇まいの屋敷だった。
門をくぐると、中の様子を隠すように沢山の草木が植えてあり、かいくぐるようにして中を進む。
人の気配は少ないが、それでも掃除や手入れが行き届いていた。
廂の間を歩きながら庭に目をやると、意外なほど風情ある表情を見せていた。
歩いて通った時は雑然としているように見えた木々も、実は計算されて植えられているということなのだろう。
といっても花菜にはそんな庭を観察する余裕はない。
もうすぐ彼と対面するのである。
そう思うだけで胸はドキドキと暴れ、足は震える思いだ。
「その几帳の奥にいらっしゃいます」
トキはお茶を持ってまいりますと、行ってしまった。
火桶が見える。
赤々と疼くような炭を見つめ、花菜は大きく息を吐く。
カサリと音をたて、ふいに几帳が揺れた。



