「なんだって?」
「その方を想い、今は途方に暮れているのです」
「それは、それは誰だ?」
碧月が一歩詰め寄る。
「月君の知らぬ方です」
「私が知っているかどうか、言わねばわからぬではないか」
さらに一歩前に碧月が踏み出したところで、蒼絃がふたりの間に立ちはだかった。
「それまでだ、碧月。花菜姫、行っていいよ」
「待って! 待ってくれ花菜、まだ話は」
「さあ花菜姫」
「は、はい」
立ち上がった碧月が後を追おうとしたが、突然人形のように手足の動きを止めた。
「うっ……、か、花菜」
人差し指を口元にあてた蒼絃がブツブツと何かを唱えている。
術で自由を奪われたのだろう。
花菜は「ごめんなさい月君」そう言い残し、衣を翻した。
「その方を想い、今は途方に暮れているのです」
「それは、それは誰だ?」
碧月が一歩詰め寄る。
「月君の知らぬ方です」
「私が知っているかどうか、言わねばわからぬではないか」
さらに一歩前に碧月が踏み出したところで、蒼絃がふたりの間に立ちはだかった。
「それまでだ、碧月。花菜姫、行っていいよ」
「待って! 待ってくれ花菜、まだ話は」
「さあ花菜姫」
「は、はい」
立ち上がった碧月が後を追おうとしたが、突然人形のように手足の動きを止めた。
「うっ……、か、花菜」
人差し指を口元にあてた蒼絃がブツブツと何かを唱えている。
術で自由を奪われたのだろう。
花菜は「ごめんなさい月君」そう言い残し、衣を翻した。



