「やっぱりそうなの? 寝耳に水とはこの事よ。宮中では全くそんな様子を見せなかったし、それ以前のあの子を李悠さまがご存知とは思えないものねぇ。あの子は確かにとても良い子だけれど、それをどこで知ったのかしら」
「まだわからない」
ふいにそう言った碧月は、スッと立ち上がった。
「まだ、実際に結婚をしたわけじゃないんだ。話だけで終わることだってある」
「ちょっと、それはどういう――」
止めかけて上げた女御の手を見ることなく、碧月は行ってしまった。
早々に見えなくなった弟君の背中に向けて、
「しっかり捕まえておかないからよ」とつぶやいた女御は、
やれやれとまたため息をついた。
「まだわからない」
ふいにそう言った碧月は、スッと立ち上がった。
「まだ、実際に結婚をしたわけじゃないんだ。話だけで終わることだってある」
「ちょっと、それはどういう――」
止めかけて上げた女御の手を見ることなく、碧月は行ってしまった。
早々に見えなくなった弟君の背中に向けて、
「しっかり捕まえておかないからよ」とつぶやいた女御は、
やれやれとまたため息をついた。



