出衣とは、御簾の下から衣だけを見せることである。そうしてお客さまの歓迎をしなさいということだ。
「でもね、小鞠、多分なにか間違っていると思うのよ」
「はいはい、それも李悠さまがいらっしゃればわかりますよ」
「それはそうだけど」
どう考えても何かの間違いとしか思えなかった。
普通に考えて李悠さまの妻となれば、皇族の方とか特に上流の貴族のお姫さまであるはずだ。
それは誰に聞くまでもなく、常識として知ることである。
「やっぱりおかしいわよ」
「はいはい、そうですね。姫さまこのお着物はどうですか? それともこっちがいいかしら」
「私はこっちが好き」
と、そこに北の方が現れた。
「花菜、さあこれに着替えて」
「お母さま」
「まぁ、なんて素敵な」
「ちょうど仕上がったところなの。花菜が宮中に戻って弘徽殿の女御さまにお仕えする日のためと作ったものだったけれど、ちょうどよかったわ。こんなにうれしいことはないわ、花菜、ほんとうに」
北の方はさめざめと泣きはじめた。
「……お母さま、でもまだ何も」
花菜の声は母の耳には届かないらしい。
気弱なはずの北の方はササッと涙を拭うとすっくと立ち上がった。
「こうしてはいられないわ。御膳を整えなくちゃ。小鞠、花菜の支度は頼むわね」
「でもね、小鞠、多分なにか間違っていると思うのよ」
「はいはい、それも李悠さまがいらっしゃればわかりますよ」
「それはそうだけど」
どう考えても何かの間違いとしか思えなかった。
普通に考えて李悠さまの妻となれば、皇族の方とか特に上流の貴族のお姫さまであるはずだ。
それは誰に聞くまでもなく、常識として知ることである。
「やっぱりおかしいわよ」
「はいはい、そうですね。姫さまこのお着物はどうですか? それともこっちがいいかしら」
「私はこっちが好き」
と、そこに北の方が現れた。
「花菜、さあこれに着替えて」
「お母さま」
「まぁ、なんて素敵な」
「ちょうど仕上がったところなの。花菜が宮中に戻って弘徽殿の女御さまにお仕えする日のためと作ったものだったけれど、ちょうどよかったわ。こんなにうれしいことはないわ、花菜、ほんとうに」
北の方はさめざめと泣きはじめた。
「……お母さま、でもまだ何も」
花菜の声は母の耳には届かないらしい。
気弱なはずの北の方はササッと涙を拭うとすっくと立ち上がった。
「こうしてはいられないわ。御膳を整えなくちゃ。小鞠、花菜の支度は頼むわね」



