多情だという噂もないし、李悠にはまだ正式な妻もいなかった。
つまり、結婚となれば正妻になるということか?
「お父さま、何か間違っていない? お名前とか」
「そんなことはないよ」
「でも絶対におかしいわよ、ありえないわ」
「まぁまぁ、とにかくこれから、いらっしゃるから」
「へ?! なんですって?!」
素っ頓狂な声をあげ、花菜は跳ねるように後退った。
「さあ大変だ! 準備をしなければ」
花菜の父はあたふたと行ってしまった。
「姫さま、爺はこんな日がいつか来ると思っていましたぞ」
泣いて喜ぶ嗣爺の説明によれば、李悠さまはこれから縁ある寺への詣出へ出かける途中に寄るという。
「私もうれしいです、姫さま」
小鞠も涙を流して喜んでいる。
「ふたりともちょっと待って! 何かの間違いよ。妻じゃなくて、召人としてお仕えするってことじゃないの?」
召人(めしうど)とは、愛人という名の召使いである。
いくら李悠さまからの話とはいえ、ありがたい話とは言えないが、身分から考えればそれが妥当なところだと思うのだ。
それに妻ではなく召人という話ならば、断わることも出来る。
つまり、結婚となれば正妻になるということか?
「お父さま、何か間違っていない? お名前とか」
「そんなことはないよ」
「でも絶対におかしいわよ、ありえないわ」
「まぁまぁ、とにかくこれから、いらっしゃるから」
「へ?! なんですって?!」
素っ頓狂な声をあげ、花菜は跳ねるように後退った。
「さあ大変だ! 準備をしなければ」
花菜の父はあたふたと行ってしまった。
「姫さま、爺はこんな日がいつか来ると思っていましたぞ」
泣いて喜ぶ嗣爺の説明によれば、李悠さまはこれから縁ある寺への詣出へ出かける途中に寄るという。
「私もうれしいです、姫さま」
小鞠も涙を流して喜んでいる。
「ふたりともちょっと待って! 何かの間違いよ。妻じゃなくて、召人としてお仕えするってことじゃないの?」
召人(めしうど)とは、愛人という名の召使いである。
いくら李悠さまからの話とはいえ、ありがたい話とは言えないが、身分から考えればそれが妥当なところだと思うのだ。
それに妻ではなく召人という話ならば、断わることも出来る。



