「――え? あ、会ったわよ。そういえば、月君はあの後どうしたのかしら」
「そのことなら姫さま、ご心配ならさなくても大丈夫ですよ。昨夜のうちに月君のお屋敷には姫さまが戻った知らせがいったので、お迎えが行ったと思いますよ。そのように、お殿さまが指示していらっしゃいましたから」
「そうなのね、よかった。月君にも申し訳なかったわ」
「あの時の真剣なご様子、脇目も振らずに馬にお乗りになって。月君は姫さまのことがお好きなのですね」
その時の情景を思い浮かべているのだろう。
小鞠は頬を染めてうっとりとしながら、両手を胸の前で合わせる。
花菜はそんな小鞠から目を逸らすようにして、うつむいた。
そんなことはないわ、とは言えない。
見たことがないほど辛そうな顔をして、『よかった。あぁ、よかった』と言った月君。そして強く抱きしめられたのだから。
その力から胸に伝わったものが友情に過ぎないと言えば、なにかの言い訳になるような気がして口にできなかった。
「そのことなら姫さま、ご心配ならさなくても大丈夫ですよ。昨夜のうちに月君のお屋敷には姫さまが戻った知らせがいったので、お迎えが行ったと思いますよ。そのように、お殿さまが指示していらっしゃいましたから」
「そうなのね、よかった。月君にも申し訳なかったわ」
「あの時の真剣なご様子、脇目も振らずに馬にお乗りになって。月君は姫さまのことがお好きなのですね」
その時の情景を思い浮かべているのだろう。
小鞠は頬を染めてうっとりとしながら、両手を胸の前で合わせる。
花菜はそんな小鞠から目を逸らすようにして、うつむいた。
そんなことはないわ、とは言えない。
見たことがないほど辛そうな顔をして、『よかった。あぁ、よかった』と言った月君。そして強く抱きしめられたのだから。
その力から胸に伝わったものが友情に過ぎないと言えば、なにかの言い訳になるような気がして口にできなかった。



