貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)

「そうだったのね。あ、これは?」

「濡れ縁に横たわっていた時から、姫さまはその衣に包まれておりました」

それは綿がたっぷりと入った、布団のような温かい合わせの衣だった。

カイのぬくもりを探すように衣を顔に近づけると、
「優しい香りでした。でも、とても微かで」
残念そうに小鞠がそう言う。

そっと目を閉じてカイの香りを探した。

花菜はもともと強い香りは身に着けない。
空薫物といっても香を焚くことはなく、普段は花を乾燥させて作った自家製ポプリを香らせる程度だ。

それでも花菜は探し当てた。

ポプリに負けてしまうほど弱いが、ほんのりと木のぬくもりを感じるような優しい香りがする。
自然の中に溶け込んでしまうような、淡い芳香。

カイの香り……。