貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)

路地を曲がったところで男に追いついた。

「あの、もしかしてあなたは……」と声を掛けたところで、振り向きざまに男に口を塞がれ、すぐ近くの屋敷の中に連れ込まれた。

そして、男は『シーッ』と口元に人差し指を立てた。

通りではダダダと騒々しい足音が響き、そしてやがて静かになった。

連れ込まれた場所は、空き家のようだった。

だが、そこには馬が繋いであり、男は馬に跨るとそのまま行こうとする。

それを花菜が追いかけ、困った男が花菜も馬に乗せてこの里山の麓の小屋に来た。とまぁ、いう訳である。

「冗談はさておき、夜明け前に邸に送る。これを食べたら早く休むといい」

「なんだか、ごめんなさい」

「まぁ、いいさ。お前ごときに見つかる俺が悪い。しかしどうして分かったんだ? さっきも顔を隠していたはずだが」

「お前ごとき?って失礼な。私、ずっと探していたんですよ。あなたのその目は忘れません! 私、目はとってもいいんですよ」

「ふん。で? 俺に何の用だ? 用事があって追いかけてきたんだろう?」