さて、どうしてこうなったのか。
それは小鞠たちと茶店で休憩している時だった。
花菜は人混みの中に見覚えのある男の姿を見つけたのである。
その時彼は首元に布を巻いていて、目元しか出していなかった。
寒い冬なので、マフラーのように布を首に巻いていても特に目立つわけではなかったが、花菜の目はしっかりと食いついた。
目立たない鄙びた色の狩衣を着て雑踏に紛れていた彼に、何か気になるものを感じ、そして思い出した。
――山で助けてくれた黒装束の人だわ!
ずっと彼に会いたかった。
カイなの?
『傀』の一文字の届け物をしてくれるのはあなたなの?
それをどうしても確かめたかった。
カイと宮中で話をした時も、忘れていて確認することはできなかった。
カイと名乗った男と、山で会った男。
ふたりは同一人物なのか?
それを確かめたい――。
正直に言ったら、間違いなく危険だといって嗣爺に止められるだろう。
そう思って、ふたりを置いて男の後を追ったのである。
それは小鞠たちと茶店で休憩している時だった。
花菜は人混みの中に見覚えのある男の姿を見つけたのである。
その時彼は首元に布を巻いていて、目元しか出していなかった。
寒い冬なので、マフラーのように布を首に巻いていても特に目立つわけではなかったが、花菜の目はしっかりと食いついた。
目立たない鄙びた色の狩衣を着て雑踏に紛れていた彼に、何か気になるものを感じ、そして思い出した。
――山で助けてくれた黒装束の人だわ!
ずっと彼に会いたかった。
カイなの?
『傀』の一文字の届け物をしてくれるのはあなたなの?
それをどうしても確かめたかった。
カイと宮中で話をした時も、忘れていて確認することはできなかった。
カイと名乗った男と、山で会った男。
ふたりは同一人物なのか?
それを確かめたい――。
正直に言ったら、間違いなく危険だといって嗣爺に止められるだろう。
そう思って、ふたりを置いて男の後を追ったのである。



