貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)

「大丈夫だよ、きっと嗣爺が連れて帰ってくるから」
中納言が慌てて小鞠を宥めたりするうち、嗣爺が走って戻ってきた。

「姫さまからの手紙です!」
息せき切って話す嗣爺は、肩で息をしながら手紙を差し出した。

【ごめんね。お友達と会って、ちょっと長話になってしまったの。邸で待っていて。明日には戻るから、心配しないでね。 花菜】
手紙には、花菜の字でそう書かれていた。

「姫の字に間違いないか?」
「はい。間違いないです」

「届けた者とは話をしたのか?」
月君は次々と質問をする。

「はい。手紙を持ってきたのは商人の女でしたが、通りがかりに、市女笠を被った姫から頼まれたと言ってました。姫さまは、自分の口から言うと反対されるからと笑ったそうです。背格好や身なりからするに花菜姫さまに間違いないと思います」

「こんなことは、今までにもあったのか?」

月君にそう聞かれて、全員が首を振った。

「めっそうもない!」
「そんなことはありません!」