馬を降りた月君は、門をくぐるなり眉をひそめる。
「ん?」
何やら騒がしい。
「何かあったのでしょうか」
ちょうどバタバタと中納言が外へでて来たところだった。あきらかに緊張して青い顔をしている。
「あ! つ、月君」
「どうかなさいましたか?」
中納言は、震える声で、「散歩に行くと行ったきり、花菜が戻らないのです」と言う。
「なんだって?! 供の者は?」
「それが」
中納言の話では、花菜が散歩に行くと小鞠と嗣爺を連れて出掛けたのは朝だったという。
昼には戻ると言って出掛けた。
ところが、昼になっても帰らず、ついさっきになって、ようやく供の者だけの居場所がわかった。
シュンとして小鞠が俯く。
「姫さまに待つように言われて、茶屋にいたのでございます。それにしても、あまりに遅いので、嗣爺に邸に帰っていないか見に行くように言われて……」
「どこに行ったのだ?」
「行き先はおっしゃいませんでした。ただ……」
「ん?」
「どなたかを見つけたらしいのです。『ちょっと話をしてくるわ。すぐに戻るから待っていて』そうおっしゃっていました。だから、すぐに戻ると思って……でも、あまりに遅いので、嗣爺と交代しながら、あたりを探したのですがどこにも」
そこまで言うと小鞠は泣き出した。
「ん?」
何やら騒がしい。
「何かあったのでしょうか」
ちょうどバタバタと中納言が外へでて来たところだった。あきらかに緊張して青い顔をしている。
「あ! つ、月君」
「どうかなさいましたか?」
中納言は、震える声で、「散歩に行くと行ったきり、花菜が戻らないのです」と言う。
「なんだって?! 供の者は?」
「それが」
中納言の話では、花菜が散歩に行くと小鞠と嗣爺を連れて出掛けたのは朝だったという。
昼には戻ると言って出掛けた。
ところが、昼になっても帰らず、ついさっきになって、ようやく供の者だけの居場所がわかった。
シュンとして小鞠が俯く。
「姫さまに待つように言われて、茶屋にいたのでございます。それにしても、あまりに遅いので、嗣爺に邸に帰っていないか見に行くように言われて……」
「どこに行ったのだ?」
「行き先はおっしゃいませんでした。ただ……」
「ん?」
「どなたかを見つけたらしいのです。『ちょっと話をしてくるわ。すぐに戻るから待っていて』そうおっしゃっていました。だから、すぐに戻ると思って……でも、あまりに遅いので、嗣爺と交代しながら、あたりを探したのですがどこにも」
そこまで言うと小鞠は泣き出した。



