貧乏姫でもいいですか？（+おまけ）

「見たかったな、見事な投げだったそうじゃないか」
頭中将がからかうように言う。

終始憮然として話を聞いていた月君は、相変わらず眉をひそめたまま放つように言い捨てた。

「害虫駆除が出来て良かった。全く、今までにも随分被害者がいたらしいじゃないか。なのにどうして誰も気づかなかったんだ？　おかしいだろ？」

言っているうちに興奮してきたらしい。

「いいか？　あの時、たまたまあの庭にいて、たまたま現場を見たから駆けつけられただけで、可哀想にあの子は涙を流しなら驚きのあまり声を失って震えていたんだぞ！」

花菜は確かに泣いてはいたし驚いてもいたが、しまいには怒りに任せ股間を蹴り上げるなどの応戦はいしていた。

でも、月君には終始、か弱く見えたらしい。