***
正月の忙しさも、内宴が済んだ下旬の頃には宮中も落ち着いてきた。
そんなある日の夜。
源李悠、頭中将、碧の月君、そして陰陽師藤原蒼絃の四人は、殿上の間に集まり盃を酌み交わしていた。
「それで、あの子を襲ったあいつらが、例の女官の仕業だと気づいたのは、どういう経緯?」
頭中将が源李悠にそう聞いた。
今回、女官の仕業だと突き止めたのは、彼なのである。
「偶然、あの女官が話をしているところを通りかかったんだよ。『これで、あの狐憑きもおとなしく出て行くわ』確か、そんなことを言っていた。何となく嫌な予感がして、花菜姫を探したっていうわけでね」
「狐憑きか」
頭中将に苦笑いが浮かぶ。
「見つけたときには、あの騒ぎ」
源李悠はそう言って月君を見る。
正月の忙しさも、内宴が済んだ下旬の頃には宮中も落ち着いてきた。
そんなある日の夜。
源李悠、頭中将、碧の月君、そして陰陽師藤原蒼絃の四人は、殿上の間に集まり盃を酌み交わしていた。
「それで、あの子を襲ったあいつらが、例の女官の仕業だと気づいたのは、どういう経緯?」
頭中将が源李悠にそう聞いた。
今回、女官の仕業だと突き止めたのは、彼なのである。
「偶然、あの女官が話をしているところを通りかかったんだよ。『これで、あの狐憑きもおとなしく出て行くわ』確か、そんなことを言っていた。何となく嫌な予感がして、花菜姫を探したっていうわけでね」
「狐憑きか」
頭中将に苦笑いが浮かぶ。
「見つけたときには、あの騒ぎ」
源李悠はそう言って月君を見る。



