ゴーン。ゴーン。
午前三時を告げる開諸門鼓(かいしょもんこ)の音で目覚めた花菜は、もぞもぞと起きだした。
――ん?
驚いた花菜の口から、思わず「え?」と声が出る。
いつの間に来たていたのか、隣にはいつも細殿で一緒に寝ている緑子がいた。
緑子はどちらかというと朝が苦手だ。
ほんの少し口を開けてスヤスヤと寝ている。
その寝顔を見ているうちに、なんだかとてもうれしくなって、また横になって緑子にくっついた花菜はクスクスと笑った。
その声で目覚めたのだろう。
うーん、と寝返りを打った緑子は、パチッと目を開けた。
「花菜! 大丈夫?」
ハッとしたように起き上がった彼女は、花菜の腕を握る。
「だ、大丈夫よ? 緑子? どうしてここに?」
「夕べ、花菜を探していたら、ある人が教えてくれたのよ。花菜がここにいるから行ってあげるといいって」
「そうなのね」
「よかったーーー、花菜。心配したのよ」
「緑子、ごめんね、ありがとう」
「無事でよかった」
「ごめんね緑子、心配かけて」
もし緑子がいなかったら、宮中で送る毎日はどんな日々だっただろう。
耐えられずに、とっくに家に帰っていたかもしれない。
――優しい緑子。本当にありがとう。
夕べ、泣くのは最後だと誓ったばかりなのに、また涙が込み上げてくる。
でも、感謝の涙ならいいわよね?
そう思いながら頬を濡らし、花菜は親友と抱き合った。
午前三時を告げる開諸門鼓(かいしょもんこ)の音で目覚めた花菜は、もぞもぞと起きだした。
――ん?
驚いた花菜の口から、思わず「え?」と声が出る。
いつの間に来たていたのか、隣にはいつも細殿で一緒に寝ている緑子がいた。
緑子はどちらかというと朝が苦手だ。
ほんの少し口を開けてスヤスヤと寝ている。
その寝顔を見ているうちに、なんだかとてもうれしくなって、また横になって緑子にくっついた花菜はクスクスと笑った。
その声で目覚めたのだろう。
うーん、と寝返りを打った緑子は、パチッと目を開けた。
「花菜! 大丈夫?」
ハッとしたように起き上がった彼女は、花菜の腕を握る。
「だ、大丈夫よ? 緑子? どうしてここに?」
「夕べ、花菜を探していたら、ある人が教えてくれたのよ。花菜がここにいるから行ってあげるといいって」
「そうなのね」
「よかったーーー、花菜。心配したのよ」
「緑子、ごめんね、ありがとう」
「無事でよかった」
「ごめんね緑子、心配かけて」
もし緑子がいなかったら、宮中で送る毎日はどんな日々だっただろう。
耐えられずに、とっくに家に帰っていたかもしれない。
――優しい緑子。本当にありがとう。
夕べ、泣くのは最後だと誓ったばかりなのに、また涙が込み上げてくる。
でも、感謝の涙ならいいわよね?
そう思いながら頬を濡らし、花菜は親友と抱き合った。



