貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)

もういい加減戻らなきゃ、そう思った時。
カサッ。
後ろで衣擦れの音がした。

振り返ると、そこには直衣姿の男がふたり。

ハッとしてその場を去ろうとした刹那、男が花菜の着物の裾を踏む。

――あっ。

「どうした? 慰めてあげようか」
男たちからは酒の匂いがする。

「おやめください」

着物を引っ張り、その場を逃げようとするが、相手はふたり。

それぞれに行く手を阻まれた。