「あら、お手紙?」
「そうなの。お母さまからのお礼の手紙」
つい先日初のお給料の禄を頂いて、それを実家に送っていた。
母から来た手紙にはそのお礼が書いてある。
花菜のお陰で、我が家は久しぶりにお正月らしく過ごせているというお礼と共に、美しい衣と扇が入っていた。
「うわっ」
「あら、素敵。お母さまがお作りになったのでしょう? なんて綺麗な色なのかしら」
横から覗き込んだ緑子が感嘆の声をあげた。
「明日の宴に着ていけるわね」
うふふ、とうれしそうに花菜が頷いた。
明日は平安宮の南にある庭園で宴があるのだ。
花菜たちも参加することになっているが、衣をどうしようかと悩んでいたところに、実家からの贈り物である。
母お手製の着物を胸に抱き、花菜は懐かしい母の香りを感じながらそっと涙を流した。
「そうなの。お母さまからのお礼の手紙」
つい先日初のお給料の禄を頂いて、それを実家に送っていた。
母から来た手紙にはそのお礼が書いてある。
花菜のお陰で、我が家は久しぶりにお正月らしく過ごせているというお礼と共に、美しい衣と扇が入っていた。
「うわっ」
「あら、素敵。お母さまがお作りになったのでしょう? なんて綺麗な色なのかしら」
横から覗き込んだ緑子が感嘆の声をあげた。
「明日の宴に着ていけるわね」
うふふ、とうれしそうに花菜が頷いた。
明日は平安宮の南にある庭園で宴があるのだ。
花菜たちも参加することになっているが、衣をどうしようかと悩んでいたところに、実家からの贈り物である。
母お手製の着物を胸に抱き、花菜は懐かしい母の香りを感じながらそっと涙を流した。



