そんなある日、うれしい通達があった。
「さあ、みなさんよく聞いてください」
集まった女官たちが不安そうに見つめるなか、縫司の責任者、尚縫はにっこりと微笑む。
「新旧含めて現在いる女官は、本人が希望する限りこのままお勤めするように、ということです。この先心配だった方もいると思いますが、今後ともよろしくお願いします」
その言葉に、皆がホッとしたように笑顔になった。
よかったわね、とあちらこちらから囁き声が聞こえる。
それからまた穏やかな空気が戻り始めた。
「どう? 最近嫌がらせはされない?」
心配そうに緑子が声を掛けてきた。
四六時中一緒にいるわけではないし、花菜は自分からは言わない。
それが心配な緑子は、ちょくちょく聞いてくる。
「大丈夫よ。あのお触れがあってから何もなくなったわ」
「でも気をつけて。あの人たち本当に陰湿だから」
うん、と肩をすくめた花菜は、それほど気にはしていなかった。
蔑むような視線は相変わらずだし、彼女たちが意地悪なことには変わりないが、そんなことは、今はもうどうでもよかったのである。
「さあ、みなさんよく聞いてください」
集まった女官たちが不安そうに見つめるなか、縫司の責任者、尚縫はにっこりと微笑む。
「新旧含めて現在いる女官は、本人が希望する限りこのままお勤めするように、ということです。この先心配だった方もいると思いますが、今後ともよろしくお願いします」
その言葉に、皆がホッとしたように笑顔になった。
よかったわね、とあちらこちらから囁き声が聞こえる。
それからまた穏やかな空気が戻り始めた。
「どう? 最近嫌がらせはされない?」
心配そうに緑子が声を掛けてきた。
四六時中一緒にいるわけではないし、花菜は自分からは言わない。
それが心配な緑子は、ちょくちょく聞いてくる。
「大丈夫よ。あのお触れがあってから何もなくなったわ」
「でも気をつけて。あの人たち本当に陰湿だから」
うん、と肩をすくめた花菜は、それほど気にはしていなかった。
蔑むような視線は相変わらずだし、彼女たちが意地悪なことには変わりないが、そんなことは、今はもうどうでもよかったのである。



