「きっと今の姫さまのように美人なんでしょうね」
それでも、小鞠にとっては憧れの姫らしい。
その純粋さに心を洗われて、花菜は「ありがとう」と、今度は精一杯にっこりと微笑んだ。
「ところで姫さま、これは何を作っているのですか?」
「ああ、これはね、帽子っていうの」
花菜と小鞠が手にしているのは藁と細く裂いた布を混ぜて編んでいる、いわばチューリップハットの形をした麦わら帽子である。
この世界に帽子はない。
「笠のように頭にかぶるのよ。もうすぐ冬だから寒いでしょう? 帽子なら頭も暖かいわ」
夢であれなんであれ、ヘイセイの世で経験したことを思い出したことは、何かと役に立っている。
そのヘイセイの世での花菜は、手芸や料理が好きだった。
お嬢さまなので社会に出て働くということはしなかったが、料理学校や手芸教室などの趣味に明け暮れていた。
この帽子作りも、その時の記憶をもとに閃いたのである。
それでも、小鞠にとっては憧れの姫らしい。
その純粋さに心を洗われて、花菜は「ありがとう」と、今度は精一杯にっこりと微笑んだ。
「ところで姫さま、これは何を作っているのですか?」
「ああ、これはね、帽子っていうの」
花菜と小鞠が手にしているのは藁と細く裂いた布を混ぜて編んでいる、いわばチューリップハットの形をした麦わら帽子である。
この世界に帽子はない。
「笠のように頭にかぶるのよ。もうすぐ冬だから寒いでしょう? 帽子なら頭も暖かいわ」
夢であれなんであれ、ヘイセイの世で経験したことを思い出したことは、何かと役に立っている。
そのヘイセイの世での花菜は、手芸や料理が好きだった。
お嬢さまなので社会に出て働くということはしなかったが、料理学校や手芸教室などの趣味に明け暮れていた。
この帽子作りも、その時の記憶をもとに閃いたのである。



