貧乏姫でもいいですか？（+おまけ）

それはそれとして、今花菜が存在しているこの平安京は、この時代の首都らしく多くの人で賑わい活気に満ちていた。

京の入り口には、羅城門という巨大な門がある。

門をくぐると、柳がそよそよと風に揺れ、春には桜が咲き乱れるメインストリート、朱雀大路に出る。
幅八十メートルを超える大路が、五キロメートルほど真っすぐに延びていた。

彼方に微かに見えるのは、朱雀門。

朱雀門の先には大内裏があり、官庁街や今上さまの御所がある。

羅城門から入って朱雀大路の左側が左京、右側が右京と呼ばれ、
朱雀大路を中心に大路、小路が碁盤の目のように延びている。

大路は、羅城門側から九条大路、八条大路、七条大路と数え、二条大路が朱雀門と交差し、大内裏を挟んで一条となっていた。

この平安の京には、およそ十万人の人々が暮らしていると言われている。