桃原大子学年主任。


彼が私たち、3年生の担当学年主任であり、実質この学校の支配者とも言える、超強面先生だ。


数々の武勇伝は省略するけど、その顔といい、口調といい、態度といい、体格といい、もう全てにおいてこの人に勝てる人間は地球上に存在しないんじゃないか、と思ってしまうほどの人である。


これは別に、私だけの話って訳じゃなくて。
この人が右を向けと言えば、生徒は全員右を向き、左を向けと言えば、他の先生方ですら左を向いてしまう。



とまあ、私とは全く違う意味で滅茶苦茶ヤバいこの人が、何で、3年生初の行事である始業式が終わった後に私を教室に残したのかというと、春休み直前、つまり2年生最終日にこんな話があった。