「…あの」 声がして、 顔を上げる。 びっくりしすぎで、 声が出るまで時間がかかった。 「お前、おっせーよ。 何時間待たせるつもりだ??」 なんて、照れ隠し。 来てくれるなんて、 来いって言ったくせに 思っていなかった。 彼女は、 来てくれた。 なにか言いたそうな彼女のカバンをとり、 おれたちは ゆっくり歩き始めた。