その時。




「長い」




声が聞こえて、あたしは桜庭からすぐ離れた。


見られた…



声の主は…すぐにわかった。




「いいとこで来んじゃねーよ琉也…」


「これでも待ってたんだけど」


「見ちゃった~♪」




途中で邪魔された桜庭は不機嫌な顔をしてて、逆に杏里は楽しそう。




「何で来るんだよ!」


「だってここ穴場だし」


「空気読め!」


「だから待ってたんだよ?2人がキスしてる時。そしたら2回目だし、長いし、さすがに待ってらんないよねって」




…要するに。




「全部見てたんだ…」


「ごめんね?」




悪いと思ってないね…


こんな感じで、桜庭と過ごした夏祭りは終わった。