「朱里ちゃんはさ、この力がもし自分にあったらどうする?」


「あたしに?そうだな〜…」


少し考えたふりをした。


そういうことを最近よく考えていたから、あたしの中で答えはとっくに出てた。


でもこれを言っていいものか。


ひろくんに引かれるのだけは絶対嫌だし。




迷った末に、あたしは口を開いた。




「……あたしだったら、好きな人のそばにずっといたい」


「え?」


「だって時間が止めれるとは言っても、未来はわからないし、過去にも戻れないでしょ?」


「うん…そうだね」


「それってさ、結局いつ死んじゃうかわからないってことじゃない?」


「うん。事故に巻き込まれるかもしれないし、病気にだってかかるかもしれないしね」


「でしょ?だったらやっぱり後悔はしたくないじゃん」


「だから…『好きな人のそばにずっといたい』?」


「……うん。呆れた?」