「だからさ言ってるだろう?僕は女の子には興味がないんだ」

 セラは苛立っていた。というのも、母をはじめとして年頃のセラが全然女の子との噂がたたないのを心配して、次から次に女の子をセラに会わせようとする。

 しかしセラは本当に興味がなかった。

「あーもうムカつく。
放っておいて欲しいよ」

 それを眺めていたセラの友人のミトは
ケラケラ笑った。
「適当に付き合えばいいじゃんか?
本当に無理なのか?本当にあの子じゃないといけないのか?」
 セラの心臓がわずかにさざめく。こんなに遠くに来たのに、心はまだあの9歳の夕焼けの日にとどまったままだった。