授業が一通り終わったが、考えていることはやはり、あの男の子のことだ。
自分があの男の子のストーカーのようで、おかしくなってくる。忘れよう。住む世界が違いすぎる。そう思った。

放課後みんながいなくなった教室。
シーンと静まり返っている。
あの男の子のことを忘れようと耳にイヤホンを差し込む。好きな音楽のビカロが大音量で流れる。
目をつぶって、音楽の歌詞の意味だけを考える。

すると、ブチッと誰かにイヤホンを抜かれた。
驚いた。目を開けると、あの男の子がいた。
手には私から引き抜いたイヤホンを持っていた。

私は「なんですか?」
と言う。男の子は何か言いたそうにしている様子
だ。そして男の子は口を開いた。