私がじーっとレンくんを見ていると、レンくんが
口パクで開けて!と言ってきた。
私はしょうがなく開けることにした。
開けるとレンくんが言った。「出かけよ!」
私は驚いた。男の子と出かけるなんて想像も出来ないからだ。
私は迷った。ダサい服しか持っていないからだ。
迷っているとレンくんが「大丈夫だよ!行こ!」と優しく声をかけてくれた。
私は「わかった。外で待ってて」と言った。

レンくんがいなくなってからクローゼットを開けると、ほとんどジャージやパジャマだった。
ワンピースはもちろん、ジーパンさえもない。

私は絶望した。どーしよ。
するとコンコンと扉を叩く音がした。開けるとお母さんがいた。「どーしたの?」と聞くと、「着ていく服貸してあげる。」と言ってきた。「なんのこと」と言う。
「とぼけないで!」とお母さんは笑った。
「お母さん聞いちゃったんだよ!デート行くんでしょ!」とお母さんは嬉しそうに言った。