ラジカセのまわりに
集まる数人のグループ。
ダボダボの服にキャップ。
アクセサリーを
たくさん身につけて
皆リズムをきざんで
楽しそうに踊っている。

客はいない。
道行くひとは白い目で
その集団を見ている。

それでもその集団は
かまわず踊り続ける。

「…かっこいい。」

趣味も特技もない
ごく平凡なよしかが
はじめて自ら興味を示した。

ダンスだった。