「何?」
「何って・・・お前、何してるの?」
驚いた声。

今は誰にも会いたくない。
泣いた顔を見られたくないから、毛布をかぶっている。
とは言えない。

「哲翔さんこそ何の用なの?」
「ああ、マンションに戻るって言いに来た」
「そう、気をつけてね」
毛布の隙間から手を出して振って見せた。

プッ。
よほどおかしかったようで吹き出している。

「もう逃げ出すなよ」
OKと親指を立てた。

「本当に辛くなったら、俺に言え」

えっ。
意外な一言に、毛布を剥いでしまった。