グラグラと心の揺れた私は、10日ほどかけて答えを出した。

とりあえず高宮家で、哲翔さんの許婚としてお世話になろう。
世間では哲翔さんのことをイケメンプリンスなんて言っているし、評判だって悪くない。
もしかしたらこの間は虫の居所が悪かったのかもしれないし。
それに、哲翔さんも嫌いな人間と結婚はしたくないだろうから、どうしてもダメなら断ってくれると思う。
きっと何とかなる。


数日後、高宮家から哲翔さんと私が許婚であるとのコメントが出された。
まだ学生のためしばらくは高宮家に住みながら大学に通い、婚約や結婚については少し先になるとの発表。

やはり宮家の力は凄くて、その日以来家を囲んでいた記者の数が減った。
その上家の前に警護が付き、私達は何とか日常生活が送れるようになった。