「ありがとうございました」
宮家で夕食をいただき、送ってもらい自宅に帰った。


お家もお庭もお食事もかなりカルチャーショックではあったけれど、楽しかった。
おばあさまも、お母様も、お父様もとってもいい方々。
ただ1人、哲翔さんを除いては。

「虹子お帰り」
珍しく玄関まで迎えに出て来た父さん。

「ただいま」
「お帰りなさい」
母さんも何か言いたそうに立っている。

でも、父さんも母さんも何も言わなかった。

「ごめん、疲れたから」
私はそう言って自分の部屋に向かった。