虹色シンデレラ

まだ5月の終わりだけど、山の中腹にある別荘は比較的寒い。

「寒かったら何か上着を持ってこようか?」

「大丈夫」


広い芝生の庭に置かれた木製のベンチに、私たちは並んで座った。


「怒ってる?」

「怒られるようなことしたのか?」

「うーん。未来に対する態度とか、ケーキ屋さんのことも黙っていたし」

まるで自分で墓穴を掘っているようだけれど、言われる前に言った方が気が楽。


「そうだな。いくら友達でももう少し言葉は選ぶべきだな」

「はい」

「祐介のことは・・・まあいい。今更言ってもな」

「うん」


祐介って名前を口にする哲翔が寂しそう。