虹色シンデレラ

「ちょっと座って」

着替えが終わってリビングに入るなり、哲翔に呼び止められてしまった。

ピッと向かいの椅子を指さされ、

「はーい」

渋々腰を下ろす。


「いくら親友でも、弟でも、家に招いたらお客さんだろう。昼食の用意をさせてくるってどういうことなんだ」

「どうって、別に」

いいじゃない。と、言いかけて言葉を飲み込んだ。

そんなこと言えばまた怒らせてしまうから。


「お客さんに対する最低限のマナーってあるべきだと俺は思う。違うか?」

「・・・」

「今日は仕方ないけれど、これからは気をつけて」

「はぁい」