事件から数日。

みんな腫れ物に触るように私に接している。


一方私自身はと言うと、

思ったより元気で、心の傷も体の傷も順調に回復中。

どちらかというと過熱する報道に頭を悩ませている感じ。


「もー、相変わらずしつこいんだから」

病室の入ってくるなり、母さんがぼやいた。

「何?どうしたの?」

「週刊誌の記者よ。家の前でずっと待っていて、父さんも康生も出かけるのに一苦労らしいわ」

「へー」

それって、私のせいだよね。


「まあ、そのうち収まるわよ」

私の反応を感じ取って、母さんが慌ててフォローした。